Quarter Dome
標高 8,316ft.
Yosemite National Park

2003年12月13日

さすがのYosemite Valleyも冬の嵐が来ると観光客の出足が極端に鈍り、 静かなトレイル歩きができる事がわかったところで、ひそかに今週末の 悪天を期待していた。願いが通じたか、金曜の夜半からBay Areaでは雨が降りだ し、朝3時のレーダーによると山も天気が悪そうだ。これはチャンスとばかり、朝4時半に家を出る。 意外な事に、山の方は曇ってこそいるものの、雨雪は全く降っていない。 ただ、Big Oak Flatのゲート付近から先は、ここ数日の間降った思われる雪で 一面真っ白だ。


Valleyにも雪が積もっていたが気温は意外と高い。 車が数台あるだけのCurry Village駐車場を8時20分に出発。 Vernal Fallから先はトレイルを雪が覆い始める。ここまで3名の観光客を見かけただけだ。 Nevada Fallまでは5-6人ほどの足跡がついていたが、そこから先は上りと下りの 2人だけの足跡のみとなる。 Little Yosemite Valleyで足跡は2つに分かれた。一つはXCスキー跡へと変わり Merced川上流へと向かっていった。 (写真はLittle Yosemite Valleyから見るHalf Dome南面)

下りの足跡はずっとHalf Dome Trailに着いている。これを素直にたどり2時間半で JMTへの分岐点に着いた。 ここからは足跡と別れ、新雪で覆われたJMTに踏み込む。やがて雪は深くなって きたので、スキーに履き替えた。 この頃から青空が出始め、気温もぐんぐん上がってきた。 木の枝に降り積もった雪が一斉に溶け出し、森中が水滴の落ちる音でざわざわしている。

Pinnaclesという岩峰が目の前に迫ってくるあたりで、北西に進路をとる。 新雪はマンザニータという灌木を押しつぶして積もっており、スキーなしでの 歩行はとんでもない苦労を強いられるだろう。やがて木々の間からTenaya Canyonの対岸が見え始まり、唐突にドームそばに抜け出た。 写真はTenaya Canyon。左にTuolumne Peakが見えている。右側はClouds Restの北西壁。

ドームの上でうろうろして遊んでいると、いままで雲に隠れていたHalf Dome がその全容を見せ始まった。急いで撮影する。

Half DomeからTenaya Canyon上流へのパノラマ。正面で一番場所をとっているの はMt. Watkins。雪が積もっているので、足元を覗き込むのはさすがにためらった。 Half DomeはなんとなくYosemite Valleyの上に立つ、大梟のように見えた。

復路は往路よりも遥かに苦労するはめになった。スキーで登ってきたトレイルは 意外と傾斜がきつく、ストックで前につっかえ棒をするようにしてスピードを殺 して下る。上りより下りが大変とは… あまりにもつらいので、 途中でスキーを脱いでずぼずぼと歩いて下ることにする。 Half Dome Trail上には新たに3人の(登りの)足跡を発見。 やはり冬にDomeに登る人もいるのかと感心。あとは20人ほどとすれ違っただけで、 4時に駐車場に戻った。