Grand Canyon of The Tuolumne Riverへの下降路
標高9600ft
Yosemite National Park

2005年9月11日


1871年9月、John MuirはYosemite CreekのBasinからひとつの沢を下り、いまだ誰も調べたことのないTuolumne大渓谷の底に降り立った。 このときの記録は”Exploration in the Great Tuolumne Canyon”として雑誌に投稿された。Muirはいろいろなヨセミテ・シエラでの探検記を書いているが、 この記録ほどルートの奇想天外さ、危険度、困難度で右に出るものはない(とTは思う)。が、なぜか一般のMuir本には、ほとんど(というより全く)書かれていない。 前書きは長くなったが、今日はその下降ルートを少しばかり下り、雰囲気を味わってみようと出かけてきた。車をYosemite Creekの駐車場に止め、 Ten Lakesトレイルを1時間強進み、その後クロスカントリーに切り替え(写真)、2年前に行ったDouble Peakの東側の台地(Merced-Tuolumneの分水嶺)を目指す。




Merced-Tuolumneの分水嶺にて。枯れ木を境に降った雨は、奥がTuolumne側、手前がMerced水系側に流れていく。ここから1分ほど進むと…



Tuolumne渓谷を望む崖っぷちに出る。ここでAは行動終了、Tのみ沢を下っていくことにする。遥かかなたには、Crane Flat 付近の火事の煙が流れ込んでいる。Hetch-HetchyのKolana RockやHetch-Hetchy Domeが見えている。




下降路を振り返る。写真中央の岩壁を下り、あちこちルートを探りながら高度を落としてきた。目の前の岩はかなり大きい。






途中の台地には熊の糞がかなり落ちており、草もなぎ倒されていた。ので、たまに大声を上げながら下ってきた。50分ほどかけて900ftほど下る。 あまり時間がなく、なんとなく雰囲気もつかめたので、今回はここでおしまいとする。帰りは上りだったが、ルートが大体わかり、簡単なコースも見つかったので、 Aの昼寝する分水嶺に40分ほどで戻ってこれた。このころから雲が出始まり、太陽を隠すようになり意外と冷えてきた。Aは座っていた岩が冷たいと言う。 いよいよ秋だ。



帰りは往路をすたこらと下っていく。写真は、分水嶺そばのYosemite Creekの源流のひとつで見つけた水の湧き出し地点。 これならそのまま飲んでもいいような気がした。もう夏も終わり、閑散とした駐車場に戻ったのは3時だった。