Cherry Creek

Emigrant Wilderness(Stanislaus National Forest)

2006年6月8日


Wildernessは、境界を設定したら放ったらかしにしておけばよいというものではなく、手付かずの自然状況を維持 するために、さまざまな管理が必要である。その中でもキャンプ地のモニタリングは、管理の方針を決める上で 最も重要な資料となる。人為による荒廃が進んでいることがわかれば、キャンプ不許可の指定もされる (これらの情報はRanger Stationで渡す規則書に書き込まれる)。Emigrantでは、過去幾度か試みが為されたが、予算削減や データベースの欠如と、さまざまな理由により、熟成したモニタリングシステムは出来上がっていない。 しかし最近のGPSの普及とボランティアの増加で、それを完成させる機運が高まってきた。 今日はFSのWilderness管理担当のBobと、管理用データベースを開発中のボランティアの Mike(本職プログラマー)が、新しく作成したモニタリング用のフィールド用記録書のフィールドテストをするため、 Cherry Creekを選んだ。Tはこの付近には一番詳しいので、ガイド役を依頼され、 喜んで有給をとり同行することとなった。

朝6時半にSonoraの町にあるStanislaus National Forestの本部に集合。そこからFSの車に乗り換え Cherry CreekへのTH(といっても何もないが)を目指す。途中、Bobが伐採のことや、それが エコシステムに与える影響、FS内でのポリティクスなどいろいろとためになる話をしてくれた。



40分ほどでCherry Creekが見えるところに着く。ここで地図を広げ、目標の不法キャンプ地への下降ルートを相談。 ところで今日制服を着てきたのはTだけで、他の二人は全くラフな格好をしている。Mikeは短パンに トレイルランニングシューズといういでたちだ(後にMikeは大後悔することになる)。



最初のキャンプ地。といっても古い「かまど」が残っただけ。ここでかなりの時間をかけて、 記録書式の細かい問題点などが議論される。何パーセント植生が残っているか、キャンプ地には 何人泊まれるか、焚き火用の木がどれだけ集められるか、Cat Hole(用便のための穴)は掘れるか、 周りからよく見えるかなども書き込まなければならない。もちろんGPSのUTM系座標と、その誤差も書き込む。 最後には、モニター担当者へ配布するための解説ビデオの撮影をする。



たまには三脚なしの自己撮影を試みる。



次の場所では、かなり大きめの「かまど」と「椅子」が見つかった。GPSで位置測定をするMikeと、 キャンプ地の大きさを調べるBob。このすぐ横の次のキャンプ地には、「かまど」だけでなく流木を組んで作った小屋跡らしきものも見つかった。



昼過ぎ、ようやく2週間前にTとAが撤去した「かまど」のあるキャンプ地にやってきた。 足跡はたくさんあったが、石などには何の変化もなかった。 先週のTHでの車の混み具合を考えると意外だった。



さらに上流に向かって進み調査を続けた(といってもTとAが「かまど」を撤去してしまったので、その跡の記録をするにとどまる)。 Cherryの水量はかなり多い。



2時半には引き返し始める。Mike(下)はすでにぼろぼろになっている。 4時半には駐車地点に戻ってきた。Mikeは過去のハイキングでこれほど大変なことはなかったと言う。