Red Mountain Basin(Sierra National Forest)

2020年7月13-16日




Maderaの町の東北東60マイル付近にあるCourtrightダム湖南岸のトレイルヘッドMaxsonから入り、San Joaquin水系とKings 水系を分けるLeConte嶺の西側Red Mountain Basinをめざす。 1864年の夏Kings Canyon一帯の調査とMt. Brewer・Tyndall等を初登頂したカリフォルニア地質調査隊は、 開かれたばかりのKearsarge Pass越えのトレイルを使い、Owens Valleyに入り北上する。 Mono Passで再びシエラの主稜を越えVermelion Valley(現在のLake Thomas Edison付近)に入った一行は、そこからLe Conte嶺西側からアプローチし、Mt. Goddardの登頂をめざしたものの、試みは失敗に終わった。 Brewerの日記にはその時の苦労の様子が詳しく書かれている。今回はそのルートのクライマックスの付近を歩いてみることにした。

7月13日


I-5、CA132、CA99経由でMaderaまでいき、そこからCA145とCA168を使いShaver Lakeの町へと向かう。途中PratherにあるForest Serviceのレンジャーステーションでバックパッキングの許可証を得た。Shaver LakeからはDinkey Creek Rd.、McKinley Rd.をたどりトータル四時間半ほどでCourtrightダム湖南岸のMaxson THに到着した。最終目的地はRed Mountain BasinにあるHell for Sure湖付近で約15マイル。今日は11マイル地点にあるFleming Lake付近までとする。THは標高8000ft.から始まる。ほぼ樹林帯の中のトレイルでもあることから快適な歩きのはずだったが、メドウや川付近では蚊に追われ大変な目にあった。キャンプ地はFleming Lake付近を避け、少し行ったところに決める。とにかく蚊が多い。素早く体洗い、洗濯、夕飯を済ませテントに避難した。【写真】途中のメドウにはペイントブラシ、シューティングスター等が咲いていた(GoPro Hero7)。

7月14日


蚊は朝の6時ごろから行動を開始する模様。急ぎテントをたたみメドウ地帯を抜ける。【写真】あるきはじめてすぐFleming Lake近くのメドウ(GoPro Hero7)。

1時間ほどでRed Mountain Basinに到達し、シエラ的な景観が広がる。しかし、ちょっと油断していると蚊が手や顔に止まり血を吸おうとしてくる。【写真】樹林越しにDisapointment Lakeがみえる(iPhone11)。

Hell for Sure湖とArctic湖の間にある丘からLeConte嶺のひとつの鞍部へ空身で登る。突然目前にGoddard山群が広がる。

【写真】Goddardは右側の最高峰。左側手前の丸い山はMt. McGee。左端から:Mendel、Peter Peak、McGee、Mt. Huxley、Mt. Warlow、Goddardすぐ北の無名峰(12,964ft.)、そしてMt. Goddard。 Warlowと無名峰の間,はるかかなた(15マイルほど)に見えるのはAgassiz、Winchell、Thrundrbolt、Palisade(Starlight、North Palisade、Polemonium)と思われる。

[1864年8月、Brewerら四名は最終キャンプ地から9時間かけて12~14マイルほどを進みこの辺りの尾根に至り、6マイルほど先にGoddard望む。しかしその間にはまだ二つの谷が残っていた。 BrewerとHoffmannはここであきらめ、Goddardを目指しさらに進み続けるCotterと兵士のSprattを湖のほとりで翌朝まで待つことにした。 Cotterらは努力もむなしく、頂上まで300フィートを残したところで敗退してしまう。出発から1日半後、疲れ切った一行はばらばらにキャンプ地へと戻った。]

しばらく遊んでから荷物をおいた丘まで下り、Arctic LakeとHorseshoe Lakeの間によさげなキャンプ地を見つける。すでに1万フィートを越えているせいか、蚊はあまりいなかった。


7月15日


今日はHell for Sure Lakeからトレイルを使い、裏にそびえるRed Mountainへの簡単な登山をする。 キャンプ地から丘を越えてHell for Sure Lake側に下り、西岸をまわってトレイルに戻る。 【写真】Hell for Sure湖北岸のトレイルからの景色。一番高いのはMt. Hutton。

峠から頂上へはしっかりした踏みあとがあった。鉄分の多い岩のせいか、頂上一帯は名前通り赤かった。 【写真】iPhone11のパノラマ撮影。実際には山はもっと近くに見える。左側最奥にはMt. endel、Darwinが見える。手前の谷はGoddard Canyon。

頂上からのお決まりのText Messaging連絡。

キャンプ地にもどりテントを撤収し、30分ほど下ったところにある沼のそばを今夜の宿営場所とした。3時ごろから空は雷雲でおおわれ、あちこちから雷鳴が聞こえてきた。 幸いここには、雨が少しぱらついただけ。夕方には青空が戻った。

七月の夜空はよく天の川がみえる。 朝方には、火星、土星、木星しか見つけられなかったが、最近よく聞く「惑星直列」を確認できた。


7月16日


テント撤収をしたあと、朝のコーヒーを準備していると月が上がってきた。 4時前出発、6時間強ほどでTHに戻れた。後半明るくなってからは、蚊に追われて大変だった。