2004年版・「装備」


2001年に装備についてあれこれ書きましたが、この3年の間に 装備のアップグレードなどがありましたので、改訂2004年版をUP。

左は、岩場や軽い雪上歩きが主な5-6時間程度のハイキング用。 重登山靴のように靴底が硬く、岩に良く吸い付く。しかしすごく軽いので、 アプローチ用としてもかなり優れもの。しいて難点を挙げると、靴底のパターンが少し浅く、 雪への食い込みがやや甘い。
右は最も使用すると思われる長時間トレイルハイク用の靴。軽量化を考え ミドルカットの物にした。濡れた岩や丸太の上でのトラクションもよく満足。 Aが良いというので、GoreTexライナー入りの物にした(以前はけなしていました)。 ある程度の水たまりならかまわず踏み込んでいける。
(June-2004記)
トレイルランニングシューズ。大会に出るというので、その6週間前に買った。 4-5年前に同様のものを買ったことがあるが、かなりの技術の進歩を感じた(靴底の耐久度、 通気性、つま先の保護機能など)。
(June-2004記)
夏用の軽登山靴。雪渓歩きさえなければ、オフトレイルを含め大抵のところはこれでこなせる。 ただ、重登山靴と違って作りが頑丈ではないので、長持ちしない(もって1年といったところ)。 写真の靴は2003年の夏に4ヶ月ほど使っただけだが、もうボロボロになってしまった、靴底はビブラムを 使ってはいるが、重登山靴(下記)に比べると柔らかめで、岩場でのトラクションが頼りない感じ。
後記:右の靴は現役引退、裏山でのトレーニング用と相成りました。
(June 2004記)
重登山靴。急な雪渓や岩場歩き、長時間の雪上歩行となるとどうしてもこれが必要。 軽登山靴に比べるとぐんと重いので歩行スピードが鈍る。アプローチの長い登山 には担いでいくこともある。
初代の二組(REIブランド)が壊れたので、超軽量のものを一組買った。 やはり軽いものは長時間の行動で違いが出る。写真では冬用のストックリング(バスケットというらしい) をつけている。使うのは重装備、長時間、雪上、オフトレイル行動のとき。それ以外(手軽なハイキング)では かえって邪魔になる。
特に理由はなかったのだが、何故か同じメーカーのパックをそろえてしまった。 内訳はT用の大型と中型、A用の中型、そして共用の小型パック。 とりあえず体型に合っているので、今のところ文句はなし。 サイドコンプレッションベルトはバランスよく荷物を背負うのに最低限必要。 ピッケル以外の物を外にジャラジャラぶら下げるのは格好悪いと思っているので、 余分なものも詰めるように、少し大きめのパックにしている。
7年使ったテントが傷んできたので、新調した二人用。 重さは6ポンドくらい。以前のテントはどうも一人用だったようで、二人用は 遥かに広く生活しやすいことがわかった。入り口が両側についているので 相手をまたがずに出入りできる。
Tの単独行用テント。重さは2ポンド半ほど。 フライはないので、朝になると内側が結露する。軽さだけを重視して買ったので、 住環境にまで文句は言わ(え)ない。意外に天井が高いのだが、雨の日には使いたくない。
以前にも紹介した三種の神器:衛星電話、GPS、そしてコンパス。 御利益は安心して単独山行やオフトレイルハイキングができること。また、どこで車が 故障しても直ぐAAAが呼べる(ヨセミテですらValleyやTuolumne Meadows付近以外では まず携帯は使い物にならない。)。 コンパスは偏位の調整ができ、且つプレートつきであることが大事。 それなしでは地図の北合わせが正しくできない。GPSや腕時計についたコンパスではだいぶ誤差が 出てしまう。
夏に愛用しているSunday Afternoons社のハイキング用帽子。つば、襟足のカバーが非常に 大きく、通気性もよい。シエラの夏には最適。
夜間行動が増えてきたので、本格的なヘッドライト(右)を購入。Xenon球(1個)とLED球(5個)モードの 切り替えができる。ほとんどのトレイルはLEDモードで歩けるが、道を失ったときなどは、すぐさまXenonモード に切り替えて遠くを照らし、すばやくリカバリーをする。夜間行動のない楽しいキャンプのときは、 LEDヘッドライトだけで充分 (道を失うのは山火事の跡を貫けるトレイル、広く平らな岩場、小川の渡渉地点といったところ。)。
ハイドレーションパックは過去に2種類ほど使ったが、使用中いくつかの不都合(吸い辛い、接合部が 裂ける等)があり、あまり便利なものとは思っていなかった。ところが3代目のCamelbakにしてからは考えが変わった。 これなしの行動はもはや考えられない。色々なオプション品がある。我々はこれをパックの中にぶら下げて使っている。 100oz.(3リットル)近くの容量がある。
高いサングラスをかけて山に行き、いくつか壊したりなくしたりしてしまった。 かといってスーパーマーケットで売っているような$15の安物ではどうも目が疲れ気味になる。 というわけで、Julbo社製のものをつかいはじめた。$30〜50ほど。使い心地がすこぶるよい。 ツルの部分が丸まっており、耳にしっかりと引っかかるので、うっかり下を向いたときに落とすことが なくなった。Aの使っているもの(右)はツルが自在に曲げられるので、ジャストフィットが可能。
夏山にヘビーデューティのゴアテックス製クライミングジャケットはオーバースペック(重すぎ) 、ということで超軽量の防水透湿素材のジャケット・パンツを購入。雷雨の中でも安心して使えた (生地が薄いせいか、高所や晩秋の時などに寒いことがあったが、アンダーウェアと上手く組み合わせれば 問題なかったと思われる)。
晩秋・冬の行動用のミドルレイヤーによいのでは、 ということで流行りのソフトシェルを使い始めた。 以前フリースに防風機能を取り込んだ製品があったが、それとあまり変わらない。 表面加工技術が更に進んでいる。クライミングジャケットを着なくても、少々の風雨や雪が防げると いった感じ。ベースレイヤーに正しいものを着ないとその効果は出ない。
ロングスパッツ:
もぐる雪のあるところ(5月あたりまで)での必需品。 OR社のクロコダイルとかいうものをずっと使っている。 ベロクロで閉じるので簡単に着脱ができる。Gore Tex使用でほとんど蒸れない。 以前TはBlackdiamond社のものを使っていたが、ファスナー式で使いづらかったため、 早々にお役ご免となった。
ショートスパッツ:
夏の雪渓歩きで使用。La Sportiva社のガスケットというループ状のものを使用。 足首に巻き靴にキックステップで巻き上げた雪が入り込むのを防ぐ。
蚊帳:
二人がすっぽりと入るくらいの蚊帳。蚊の多いときに携行。休止中にかぶれば落ち着いて休める。 もっとも、蚊の多いところへはタイミングを外して行くようにしているが。
エアーマット:
自分で空気を吹き込み膨らまさなければならないが、中にスポンジ状のものが入っていて 寝心地は遥かによい。また、オプションのチェアーキットを使うと立派なアウトドアー座椅子に早変わりをする。 楽しいキャンプの必需品。
枕:
Bed, Bath and Beyondで買った一個4ドルの安物とはいえ、なかなかよい使い心地である。 楽しいキャンプの必需品。以前REIで買ったアウトドア用の枕は高価($30)なわりに、ゴロゴロして使いづらい。
折りたたみ式バケツ:
K夫妻に便利だと言われて、使い始めた。 これなら小川から水を汲んできて、楽なところに腰掛けて水作りができるので、川沿いでへっぴり腰を続ける必要がない。 吉野屋は飲み水用の大型バケツと更に洗顔用の小バケツを、マイクロファイバーの大小タオルと共に携行。 楽しいキャンプの必需品。
小型ビニールグランドシート:
何はともあれ地面にこれを敷いてからくつろぐ。地面や草の上には決してそのまま座らない 潔癖症のT。またシートに米粒ひとつ落ちていても気になる。学生の頃、米のふきこぼれやカレーで 汚れたグランドシートの上で寝たことがトラウマになっているらしい。
トランシーバー:
価格崩壊のおかげで小型のものが安価に買えるようになった。余裕がある山行のときは 持って行く。天場探し、Tの単独行動(ベースキャンプとの連絡)、Aが遅れて迷子になりかかる時などに威力を発揮する。
安物デジアナ腕時計:
TimexのExpeditionを使用。やはりアナログは見やすい。ベゼルをセットすれば何分歩いたかが わかる。一見ばかげているようだが、5〜6時間も歩いていると、時間の感覚がなくなるので役に立つ。 デジタル部は目覚まし機能をサポート。ベルトは腕がむくんでもすぐ調節がきくベロクロにしている。 なんといっても安いので、落としても財布へのダメージがない。難点は夜に秒針の音が気になる事。
消毒用アルコールとペーパータオル:
車の中に入れておき、ハイキングから戻ったら体を拭く。サラサラになるし、リフレッシュした気分になる。 潔癖症のTはこれを済ませないと決してハンドルを握ろうとしない。あとは一気に家までドライブ。



失敗購入品
Outdoor専用腕時計:
Casioのソーラー電池駆動の高度、電子コンパス、気温計付きの時計を買ったが、あまりにも大きくて重い。 ベルトの出来も悪く、腕にしっくりと巻きつかない。GPSを持っていれば必要ない、という訳で最近はほとんど 使っていない。“ソーラー電池と目覚ましがGPSにつけば最高" とGPSのGarmin社にメールを出したら、 エンジニアに伝えておきますと丁寧な返事が返ってきた。
折りたたみ式水筒:
Camelbakの前に使っていたNalgene社製折りたたみ式水筒は、10回も山で使う内に接合部が劣化しはじめ、 ついに行動中に水が漏れ出してしまった。そのときは12時間行動日の真ん中ぐらいだったので、 えらくあせった。 帰宅後、文句のメールをカスタマーサービスに送ったが、何の返事もなかった。 また、Platypus社の折りたたみ水筒も同じようにハイキング中に壊れた、というか紛失した。頂上まで 30分ほどのところで岩の上にデポしておき、2時間後に戻ってくると消えている。 いくら探しても見つからない。どうもパックから漏れたゲータレードの甘いにおいに誘われ、マーモットが盗んだようだ。 13,000ft.付近での出来事。 ただ、これらはかなり軽いのでキャンプ地での水筒としてはまだ使用してもいいかなと思う。



注意:これらはあくまで限られた経験に基づく私見です。実際の登山にあたっては 各自の実力、経験、体力に合わせた装備をそろえて登ってください。